
書店や雑貨店、スーパーマーケットなどで、思わず足を止めてしまうような魅力的なPOP。「あんな風に商品の魅力を伝えられたら…」と感じ、「ポップの書き方を学べる本はないかな?」と検索された方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざPOPを作ろうと思っても、「自分にはセンスがないし、絵も苦手…」「そもそも何を書けばいいのか分からない」と、手が止まってしまうことも少なくありません。
この記事では、そんなお悩みを抱える初心者の方でも、売れるPOP・伝わるPOPが作れるようになる、おすすめの実用書を7冊厳選してご紹介します。実際に手を動かしながら楽しく学べる本ばかりなので、ぜひあなたにぴったりの一冊を見つけて、POP作りの第一歩を踏み出してみてください。
POPの書き方を学ぶなら本がおすすめな理由
「情報はインターネットで探せば十分」と感じる方もいるかもしれません。しかし、POPの書き方を基礎からしっかりと身につけたいなら、書籍での学習には大きなメリットがあります。
Web上の情報は手軽ですが、断片的になりがちで、情報の取捨選択に時間がかかることも少なくありません。一方、書籍はPOP制作のプロフェッショナルが長年培ってきたノウハウを、順序立てて体系的に解説してくれます。特に手書きPOPの繊細なペン遣いや文字のバランスといった技術は、静止画や短い動画だけでは掴みきれない部分も多く、書籍でじっくりと学ぶ価値は非常に高いと言えるでしょう。
本であれば、情報の信頼性が高く、その道のプロが持つ知識や技術を体系的に学べる点が最大の強みです。自分のペースで何度も読み返し、マーカーを引いたり付箋を貼ったりしながら、自分だけの教科書として活用できます。制作中に行き詰まった時に、辞書のように参照できるのも心強いポイントです。
POP作りで初心者が抱えがちな悩みと、本が与えてくれる解決策
POP作りに挑戦したいと思っても、多くの初心者が同じような壁にぶつかります。ここでは、代表的な悩みと、それらを解決するために本がどのように役立つのかをご紹介します。
悩み①「センスがないし、絵心もない…」
「自分にはデザインセンスがないから」「イラストが壊滅的に下手だから」と諦めていませんか?実は、売れるPOPに必ずしも芸術的なセンスや上手なイラストが必要なわけではありません。大切なのは、商品の魅力をお客様に分かりやすく伝えることです。今回ご紹介する本の中には、『POP1年生 "センス"がなくてもPOPは書ける!』のように、センスに自信がない人でも実践できるノウハウを教えてくれるものがたくさんあります。簡単な線の描き方や、イラストがなくても目を引くデザインのコツなど、具体的な解決策が満載です。
悩み②「そもそも何を書けばいいか分からない」
商品を目の前にして、「さて、何を書こう…」と固まってしまうのは、初心者によくあることです。商品の特徴をただ羅列するだけでは、お客様の心には響きません。本で学ぶことで、商品のどの部分を切り取ってアピールすれば良いのか、どんな言葉(キャッチコピー)を使えばお客様の興味を引けるのか、その「考え方」のフレームワークを身につけることができます。お客様の視点に立つことの重要性や、具体的なキャッチコピーの作り方が分かれば、ペンもスムーズに動き出すはずです。
悩み③「道具は何を揃えればいいの?」
いざ始めようと思っても、「どんなペンを使えばいいの?」「紙は何がいいの?」と、道具選びでつまずいてしまうことも。プロがおすすめするペンの種類や紙の選び方、あると便利な道具などが紹介されている本は、初心者にとって非常に頼りになります。無駄な買い物をせず、効果的なPOP作りに最適な道具を揃えるための、確かな指針を与えてくれます。
初心者におすすめ!POPの書き方が学べる本7選
それでは、ここから具体的にPOPの書き方が学べるおすすめの本を詳しくご紹介していきます。あなたの目的やレベルに合った一冊がきっと見つかるはずです。
1. 『7日間でマスター! 書き込み式 手書きPOP速習ドリル』
著者:石川香代、石川伊津
出版社:廣済堂出版
見本を真似しながら直接書き込んで練習できる、ドリル形式の一冊。短期間で実践的なスキルを身につけたい方に最適な実用書です。タイトル通り7日間で手書きPOPの基礎をマスターできるよう構成されており、実際に手を動かしながら学べるため、知識が定着しやすいのが特徴です。
著者の石川香代さんは、全国の様々な店舗で活性化コンサルタントとして活躍する中小企業診断士。現場の実体験に基づいた、すぐに使えるノウハウが詰まっています。基本的な文字の書き方から、温かみのある「味のある手書き文字」まで段階的に学べるので、「自分の字に自信がない」という方にこそおすすめです。
【こんな人におすすめ】
- とにかく早くPOPが書けるようになりたい方
- 座学よりも、手を動かしながら覚えたい方
- 自分の字にコンプレックスがある初心者の方
2. 『POP1年生 "センス"がなくてもPOPは書ける!』
著者:山口茂
出版社:すばる舎
「わかるわかる!」と共感しながら読み進められる、ユニークなアプローチが魅力の一冊。主人公の「ホッター」くんがPOP作りに奮闘する体験談を、イラスト実況中継形式で紹介する、まったく新しいPOPの教科書です。難しい解説書が苦手な方でも、親しみやすいキャラクターと一緒に楽しみながらPOPの考え方から作り方までを学べます。
著者の山口茂さんは「POPの学校」を主宰し、35年以上にわたり約29万人を指導してきたPOP界の第一人者です。「センスがないから無理」と諦めかけていた方にこそ、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
【こんな人におすすめ】
- 難しいマニュアル本を読むのが苦手な方
- 楽しみながらPOPの基本を学びたい方
- センスに自信がなく、一歩が踏み出せない方
3. 『POP王の本!』
著者:内田剛
出版社:新風舎
書店員として約30年勤務し、これまでに5000枚以上のPOPを書いてきた「POP王」こと内田剛さんの著書。特に書店で本の魅力を伝えるPOPを作りたい方には必読の書です。「POPは本の長所を伸ばして短所を補うサポーター」という考え方に基づき、単なる技術論ではなく、POPが果たすべき本質的な役割について深く学ぶことができます。
※注意:出版社(新風舎)が2008年に事業停止しているため、新刊での入手は困難です。中古書店やオンラインマーケットプレイスなどで探す必要がありますが、その価値は十分にあります。
【こんな人におすすめ】
- 書店員や図書館スタッフなど、本に関わる仕事をしている方
- 小手先のテクニックではなく、POPの本質を理解したい方
- 商品の「応援団」としてのPOP作りを目指す方
4. 『本のPOPをつくろう!』
出版社:理論社
小学校の国語の教科書に準拠して作られており、POPの役割から作り方のプロセス、道具の選び方まで、非常に分かりやすく体系的にまとめられています。教育現場での使用が想定されているため、子どもだけでなく、基礎からしっかり学びたい大人の方にも最適な入門書です。本の選び方、読書メモの取り方、気になる著作権の問題やコンクールの情報にまで触れられており、POP作りの全体像を網羅的に把握できます。
【こんな人におすすめ】
- POP作りの基本をゼロから体系的に学びたい方
- お子さんと一緒にPOP作りを楽しみたい方
- 著作権など、制作する上での注意点も知りたい方
5. 『動画で学べる! 手書きPOP』
著者:石川香代、石川伊津
1冊目にご紹介した石川さんコンビによる、スマホと連動させた現代的な学習書です。書籍に掲載されたQRコードから動画にアクセスし、文字では伝わりにくいペンの動きや筆圧などを映像で確認しながら練習できます。手本を見ても上手く真似できない、線の強弱がつけられないといった悩みを抱える方にとって、動画による解説は大きな助けとなるでしょう。より効率的に美しいPOP文字を習得したい方におすすめです。
【こんな人におすすめ】
- ペンの動かし方など、細かい技術を動画で確認したい方
- 独学での文字練習に限界を感じている方
- 書籍と動画を組み合わせて効率的に学習したい方
- 価格: 2525 円
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6. 『売れる! 楽しい! 「手書きPOP」のつくり方』
著者:増澤美沙緒
出版社:同文館出版
お客様が思わず足を止めるキャッチコピーの作り方から、ペンの持ち方、簡単なイラストの描き方まで、誰でも「売れるPOP」が作れるようになるノウハウが詰まった実用書です。「すごはん」の愛称で知られる販促の専門家である著者が、単なる技術だけでなく「なぜこのPOPが売上につながるのか」という理論的な背景まで解説してくれるため、応用力が身につきます。タイトル通り、POP作りが「楽しく」なる工夫が満載の一冊です。
【こんな人におすすめ】
- POPで商品の売上を伸ばしたいと考えている方
- POP作りの「なぜ?」という理論的背景も理解したい方
- 作業としてのPOP作りを「楽しい」活動に変えたい方
7. 『POPの教科書』
著者:山口茂
出版社:すばる舎
「わかる!!できる!!売れる!!」をコンセプトにした、まさに「教科書」と呼ぶにふさわしい一冊。『POP1年生』よりもさらに体系的で、POPの理論から実践までを幅広く、深くカバーしています。著者が35年以上の指導経験で培った知識とノウハウの集大成とも言える内容で、POPを指導する立場の人が読んでも非常に勉強になります。「なぜこのPOPが効果的なのか」という根拠を明確に学び、自分なりのPOPスタイルを確立したい方にとって、最高の羅針盤となるでしょう。
【こんな人におすすめ】
- POPの理論を本格的に学びたい方
- 店舗スタッフなどにPOPの書き方を指導する立場にある方
- 将来的にPOP制作を仕事にしたいと考えている方
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POPの書き方の基本を本から学ぼう
これらの本を通じて、具体的にどのようなPOPの基本技術が身につくのでしょうか。ここでは、特に重要な3つのポイントをご紹介します。これらを意識するだけで、あなたのPOPは格段にレベルアップするはずです。
文字の書き方とデザインの基本
POPで最も大切なのは、技術的な上手さよりも、お客様に商品の魅力を伝えたいという『熱意』です。印刷された文字にはない、手書きならではの温かみや親しみやすさが、書き手の気持ちを伝えます。本では、ただ綺麗な文字を書くのではなく、商品のイメージに合わせた書体や、伝えたい気持ちが乗るような文字の書き方を学べます。例えば、強調したい部分は太いペンで力強く、補足説明は細いペンで優しく書くなど、文字に強弱をつけるだけでも、格段に読みやすく、伝わりやすいPOPになります。
色使いとレイアウトの技法
どれだけ良いことを書いても、読んでもらえなければ意味がありません。お客様の目を引き、スムーズに内容を読んでもらうためには、色使いとレイアウトの知識が不可欠です。多くの本では、お客様の視線の動きを意識した「Zの法則」(横書き)や「Nの法則」(縦書き)といったレイアウトの基本が解説されています。これは、人の目が自然と追う動きに沿って情報を配置するテクニックで、これを知っているだけで格段に伝わりやすくなります。また、「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3色を基本に配色を考える、商品のイメージに合った色を選ぶといった、すぐに使える色彩のテクニックも学べます。
キャッチコピーの作り方
POPの心臓部とも言えるのが、お客様の心を一瞬で掴むキャッチコピーです。「できたて」「本日入荷」「〇〇さん家の」「限定」といったキラーワードはもちろんですが、より大切なのは「お客様にとってのメリット」を伝えることです。例えば、ただ「高機能な炊飯器」と書くのではなく、「いつものお米が料亭の味に」と書くことで、お客様は商品を使った後の素敵な未来を想像できます。お客様が「自分ごと」として捉えてくれるような言葉を選ぶことが、心に響くキャッチコピーの鍵となります。本では、そうした言葉を見つけるための考え方や、具体的なフレーズ例を数多く学ぶことができます。
本以外でPOPの書き方を学ぶ方法
書籍で基礎を固めながら、他の方法も組み合わせることで、さらにスキルアップのスピードが上がります。ここでは、本以外のおすすめの学習方法をいくつかご紹介します。
- YouTubeチャンネル「POPの学校」: POP文字の書き方のコツや、現場ですぐに使える知識が動画で分かりやすく解説されています。ペンの動かし方など、動画ならではの学びが得られるのが大きなメリットです。
- 図書館のワークショップ: 全国の図書館では、「ほんのPOPづくり講座」といったイベントが開催されることがあります。実際に手を動かしながら、他の参加者と交流できる良い機会です。
- オンライン研修: 「POPの学校」などが開催する個人参加型のオンライン勉強会では、専門家から直接、個別に指導を受けることも可能です。フィードバックをもらうことで、自分の弱点や改善点が明確になります。
- 参考サイトの活用: 大阪府立図書館など、公的機関のウェブサイトでもPOPの基本的な作り方が詳しく解説されています。信頼性の高い情報を無料で学べる貴重なリソースです。
まとめ:自分に合ったPOPの書き方本を見つけよう
この記事では、初心者からでも始められるPOPの書き方を学べる本を7冊ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
POPの世界に、唯一絶対の「正解」はありません。むしろ、いかに自分の言葉で、自分のスタイルで商品の魅力を伝えられるかという「個性の勝負」です。だからこそ、まずは自分の目的や現在のレベルに合った一冊を見つけることが、上達への一番の近道になります。
「POPを書きたいけれど、うまく書けない」という相談を受けることがよくありますが、最も重要なことをお伝えします。上手い下手よりも、いかに書き手の気持ちがこもっているか。それが人の心を動かすPOPの分かれ道です。お客様に「この商品の良さを知ってほしい!」という熱意さえあれば、その想いは文字やデザインを通して必ず伝わります。
まずは気になった一冊を手に取り、本で学んだ知識を活かして、とにかく一枚書いてみてください。「千本ノック」ならぬ「千枚POP」と言われるように、書けば書くほど、あなただけの「伝わるPOP」が書けるようになります。POP作りは、お客様との最高のコミュニケーションです。ぜひその楽しさを体験してみてください。






